読了:忘れる読書

本の読み方の本でもあるし、本の紹介の本でもあった。楽しく読めた面白い本だった。

面白かったのは、下記の部分。このディテールを忘れていく過程で、自分の中に残ったものが本の中で消化された部分というもの。本を読んで、考えてたりしていくうちに、他の本の内容や事柄とむすびついたことは、いがいと忘れないわけで、これを言語化すると、こういうことに近いのだろう。

「覚えることより忘れる能力が大切」とよく言っています。読んだ内容を細かく思い出せるうちは、単に著者の主張を頭の中でリピートしているだけで、それは自分の頭の中に「入った」とは言えないからです。

得た知識が何となく頭の片隅に残っていて、いくつもの概念が溶け出して混ざり合っていくような感覚になることがあります。

忘れる読書 p.55

それから、前後するけれど、最初にある「持続可能な教養」というのも面白い。「抽象化する思考」を鍛えることによって、「『気づく』能力を磨く」。それが洗練されていくことで教養が磨かれるというもの。細かいものだけでは、点と点は結びついていかないわけで、抽象化して、言語化して、そして気が付くのが大切。うわべだけなら、カタカナ用語で乗り切れるけれど、別の言い方で表すことができるかとかこれに近いのだろう。

何本か、読んでみたい本も見つかった。今の積読に飽きてきたら、手を出してみるかな。

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