Interop Tokyo 2023のレポート

今年も恒例のInterop Tokyo 2023にいってきた。

会場内をぐるぐるとして感じたのは、大手の企業が展示会に戻ってきている、ということ。アフターコロナということなのだろう。CISCOもMicrosoftもブースがあり、NTT系の企業も大きいブースを構えていた。大きいブースが多いので、かなり盛況な感じだ。COVID-19の影響で、出展を控えていたとか、そういう感じなのだろう。

PCや端末まわりのセキュリティの製品展示が多かった。リモートワークでのセキュリティ対応やサイバー攻撃対策が注目されている昨今なので、その展示が増えるというのは必然なのだろう。PCの行動監視系ツールはいつもどおりSKYSEAが目立っていた。他には、XDRのバズワードで展示しているところが多い。EDR(Endpoint Detection & Response)よりも、XDR(eXtended Detection & Response)。XDRは、EDRと比べて、「拡張性の高い高速なイベント分析」「AIによる相関分析サポート」「対応の自動化」などなど、XDRよりもより高度なことができるから、Endpointではなく、eXtendedと表現されている。厳密なEDRとXDRの差は、各社によってまちまちなので、ワードだけでなく、中身をみないといけない(だからバズワードともいえる)。EDRやXDRの場合、オンプレミス(自前のサーバ)ではなく、クラウド側の管理コンソールを使うので、そこらへんの運用サポートや代行も含めてアピールされていた。まずは、展示会場でアピールし、メディア露出やユーザ露出を図ることにより、知名度アップが目的だろう。知名度がないと、セキュリティ製品の選定のときに、敬遠されがちになってしまう、日本のユーザ側の会社の体質だから、知名度と実績作りだろう。

来年、規格化される予定のWiFi7の対応機器の参考展示もされていた。本当に参考展示なので、チラ見せ程度。主力は、WiFi6かWiFi6eの無線LAN機器ばかりだ。ネットワークスイッチは、メタルの10Gbpsで通信する機器が多い。LAN内のスイッチ間通信は、10Gbpsがメジャーになりつつあるようだ。インターネット回線も、一般的な1Gbpsではなく、10Gbpsの回線サービス(Nuroやフレッツ光クロス)のエリアが拡大している。LANもぼちぼち10Gbps通信なのだろう。

高速通信といえば、NTTのIOWN(アイオン)の展示が大きかった。次のバックボーンインフラの標準を目指して、という意気込みは感じる。デモでも高速通信・低遅延を見せるようなことをやっていた。Interop Tokyo 2023会場のバックボーンの外部ネットワーク接続にも、IOWNは使われているとのことで、「IOWNのOpen APNの回線は、400Gbs×1+100Gbps×6+10Gbps×1の、計1.1Tbps」とのこと。1.1Tbpsも外部との接続があるとは、驚きだ。これだけ協力なバックボーン回線ともなると、通信監視も大変だ。通信量の監視、可視化は、NICTのNIRVANA改が今年もつかわれており、ビジュアル的にもサイバー感があって楽しい。設定や管理はだろう。NIRVANA改は、版売もされているので、導入はできるがいくらになることやら。

ローカル5Gの機器や基地局もあり、機器としては工場や自社敷地内にローカル5Gの展開はそんなに難しくなさそうである。問題は電波の利用申請などの手続き系の部分だろうけれど。携帯の5G通信であれば、電波の通信範囲も広いので、PHSや無線LANの代わりにもなるだろう。コストが見合うかどうかは、ケースバイケースなのだろうけれど。

余談として、同時開催されていたDSJ(デジタルサイネージジャパン)などの展示では、めちゃくちゃ大きいディスプレイ、それこそ部屋の全面がディスプレイになっており、没入感のある映像空間の展示やデモがされていた。透過型ディスプレイも、展示としては面白く、これらが普及してくると街中やイベントは変わると思う。写真にとると、見た目がチープになるという問題はあるが。外枠込みで写真に写したのが原因かもしれない。

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