読了:コンテナ物語

やっと読み切った。とても長いが面白かった。分厚くて、積読になっていたので、読み始めてよかった。

コンテナを発想して、ロジスティックスとして、作り上げる過程が面白い。そして、昔の港湾がどういう仕事をしていたのか、どういう仕組みだったのか、まったく知らなかったことに気がつかされた。波止場の男達といういうけれど、なるほど、そういうことだったのか、とコンテナとは関係のないところで面白くなってしまった。今の日本だと、まったくもってイメージがしにくい港の閉鎖とストライキ、そういう制約にさらされながらコンテナが広がっていったと。いや、そういう不安定な港の状況だからこそ、港のしがらみから外れたコンテナが優位になったとも考えられる。コンテナのサイズも、初期はまちまちで色々な規格争いの末、今のような効率化が図れたわけだ。物理的な製品規格の統一の1つの事例であり、同じようなことがあると、同じようにまとまっていくわけだ。世界の港を、船を、変えていく様は面白かった。

そして、規模の経済になると、パイオニアが生き残るとは限らず、後出しジャンケンでも資本力のあるところが勝ってしまうと。最後のところは短く、さらりとしているがそういうところ。物の流れというのは、本当に面白い。コントロールできない部分も多いし、今後も何かのタイミングで変わるのだろう。ウクライナ戦争で、物流も変わりつつあるので、コンテナ輸送の経路や量も数年で激変しそうな気はする。

どうでもいいことなのかもしれないけれど、読んだのはコンテナ物語の増補改訂版。これは、本のカバーのデザインがよい。シンプルで、コンテナを想像させる模様であり色だ。Amazonで最初のコンテナ物語のカバーもみたが、あのデザインだと読んでみる気にはたぶんなっていない。

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