読了:デジノグラフィ

読了。なかなか面白かった。ビッグデータから無意識の共通点を探るのではなく、生活者の個の価値観や欲求をエスノグラフィで探すというもの。インサイト発見に焦点は面白い。これをやったからといって、解がみつかるわけではないが、解を探すための気づきの発見にはよいと思う。よくもわるくも、デジタル化によって、いろいろな情報が残っているので、解像度高く、エスノグラフィをできるのはよいかも。

実際の分析の技法の部分は、あまりないのは物足りない人もいるかもしれないけれど、実際に分析した事例が多く載っているので、そっちをみたほうがよい。技法はあくまでもツールでしかないので。そういう意味では、本についていた帯が微妙なのだと思う。本自体は悪くない、というか、面白く読めた。

いくつも気になったところはあるのだが、最後にあるこれは重要なことだと思う。データ分析で他者の関心をひけるというのは重要。ビッグデータも、なんかこうなっている、だけでは関心を引けない。

P.220 デジノグラフィで明らかになるインサイトや生活者の実態には、職種や役職にかかわらず、あるいは社外の人であっても誰もが関心を示してくれる、というケースが多くあります。それは利益がどうとか、専門や担当分野の範囲かといったこととは関係なく、自身が生活者である一人の人間としてデジノグラフィで見える様々な人間の実態に、「なんでだろう?」「自分にも当てはまるだろうか?」「裏側にどんな心理があるんだろう?」といった探究心や好奇心が芽生えるからです。
 私たちがデジノグラフィに大きな可能性を感じているのは、まさにその点にあります。このアプローチから生まれた生活者に関する発見は、マーケティングや新しいビジネスに活用できるということ以上に、誰もが関心を抱き、自分なりの発想を飛ばすことができるものなのです。

デジノグラフィ インサイト発見のためのビッグデータ分析
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