
面白かった。そもそも想像するような雑談ではなく、相手の状況を聞き出したり、自分の状況を伝えるような会話。イメージ的には、スモールなビジネストークが、この本でいう雑談だった。もしかしたら、雑談という日本語にする対ものは世界にはないのかもしれない。この本を読んでも一般的な雑談がうまくなったりはしない。
「自己開示できるような質問をする」「雑談の目的は様々ですが、自分の意見や疑問、悩みを素直に伝えて、日常的にお互いの情報をアップデートしています」というように、雑談で時間を濁すではなく、目的があるような話だという。そして、「日本のビジネスマンが愚痴をこぼして「ガス抜き」をしているのに対して、海外のビジネスマンは雑談を通して可能性や解決策を探しています」とも。たぶん、一般は違うのだろうが、時間の無駄をきらう一流層は、さりげなく会話で情報交換と探り合いなのだろう。その中で生まれる信頼関係は、民族性の違いなのかもしれない。本の中にもあったが、日本は「ハイコンテクスト社会」だという。そういう側面が強いので、雑談の性質も異なるのだろう。
あと面白かったのは、天気などのあたり触りのない会話ならば、やらないほうがいい、など。アイスブレイク的なところは必要だが、無駄な話はいらないのだろう。自己開示できるようなトークはいいが切り返しが大変だな。