「成熟した製造業だから大きな利益が上がる」

「成熟した製造業だから大きな利益が上がる」という本を会社の人から借りたので、正月休みにのんびりと読んでみた。

成熟した製造業だから大きな利益が上がる成熟した製造業だから大きな利益が上がる
山中 信義

日本能率協会マネジメントセンター 2004-07-28
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米国のエマソンという製造業をベンチマークして、日本企業への示唆を行っている。まず、エマソンという会社の概要や歴史の紹介がある。次にエマソンの持続的な成長を支える6つの経営プロセスの解説がある。シンプルな経営の徹底や経営計画策定など6つのプロセスを持っている。

また、エマソンの特徴的なところは、PLAN-DO-SEEサイクルやPLAN-DO-CHECK-ACTIONサイクルではなく、PLAN-DO-CONTROLというサイクルを使っていること。経営手法として、プランニングが如何に大事かということを考えており、プランニングに終らず、そのコントロールこそが重要であると書かれている。(ここでは、経営陣がPLAN-DO-CONTROLを行っていることは書いてある。また、PDCAを行っていないとも書かれいないので、注意。現場レベルは、PDCAも行っているのだろう)トップが主導となり、プランニングとコントロール、および意思決定を行い、組織力を発揮する。この方法は、日本企業が一番苦手なところである。なぜなら、日本は技術者などからのボトムアップ型で事業や計画が決定していくからであり、トップダウン側は嫌われることが多い。実際に、日本の管理職には、トップダウンを嫌う人がいる。すべての人ではないが。この方式を変えることが、成功の鍵だろう。

また、財務戦略の必要性や経営戦略の8つの鍵についても解説している。ちなみに、8つの鍵とは「競合差別化の究極」「成熟産業で成長して収益を上げる」「商品差別化の究極」「連戦連勝の法定式」「社内差別化の究極」「数によるリスク分散」「コアコンピテンスへの集中」「プランニングプロセス」である。

この本は、日本の製造業関係者が自社のベンチマークする、もしくは今後の戦略を考える上での一つの指標に使えるものだろう。

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