読了:人工知能の見る夢は AIショートショート集

短編+まじめな解説で、途中で放置しやすい本だったので、なんだかんだで読み終わるまでに時間がかかってしまった。これが出版されたのが6年前。AIについて、いろいろと変わってきたからこそ、こういう世界はあり得るのかもしれないと思えてくる。

「人が想像できることは、実現される可能が高い世界」と考えると未来の予見やヒントが詰まっている。突拍子もないことではなくて、現在(と、いっても6年前)の地続きで考えられているあたりが、そう思わせてくるのだろう。特に印象深くありそうと思ったのは次の2篇。

「ダッシュ」は、人の教育用ロボット(AI)の話。常に一緒にいる同じ目線のロボットでいろいろと教えてくれる。パーソナル家庭教師というか、優秀なドラえもん(大山のぶ代バージョン)というべきか。学校のあり方が変わって、教師というものがかわると、この世界はすぐにくるのかも。ロボットとしての実態を持たなくても、アレクサやOKグーグルな、スマートスピーカーが代用してくるかもしれないと思える世界観。人が教えるよりも、ありかも、と思えなくもないのが怖い。ログとして残るし。

「舟歌」は、演奏を聞くロボットAIの話。作曲も演奏もAIがやるようになると、ちゃんと聞く人というか観客の概念が変わる、そうなったときの話。よくわからないけれど、その聞く機微が再現できるロボがあるのならば、需要がありそうというか。そういう世界もあるのではないか、と思ってしまう。その世界がユートピアかディストピアなのかはわからないけれど。

短編も解説面白いので、読んでみるといい本。

余談として。タイトルは、映画のブレードランナーの原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のオマージュ。ブレードランナーは見たことあるけれど、原作の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は読んでいないので、そろそろ読まないと行けない、と思っている。

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