カテゴリー: 本・DVD等

  • となりの芝は大して青くない

    週間東洋経済の給料特集を読んだが、隣の芝生は対して青くなかった。

    上場企業の生涯年収は思っていたよりも高くはない。推計なので、当然もっと多くもらっている人も多いだろう。それにしても、魅力的とは言えず。ただ、日本型の企業の場合は、この特集に表れていない福利厚生が手厚く、その影響で生涯年収以上の価値があるのかもしれない。

    また、転職での給与アップもそんなに上がらない。技能によっては大幅アップ。元の年収が低いのでアップ幅としては大きいが、そんなに高給になるわけでもない。なんというか、日本の給与は高くないのだな、とい認識を改めてした。上場企業、公務員を含めて、全体的に生活が厳しい世の中なんだなと。総中流社会というよりも、中低社会な感じだ。ダブルインカム前提じゃないと厳しいとい実態じゃないかと思う。

    外資系のIT 企業と比べると夢がない。これが日本の現実なんだろう。

  • 読了:シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略

    「シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略」は、とても面白かった。そして、企業のSNS運用を考えるうえでの示唆が多く含まれていた。SNS運用というと、どうしても個性的な中の人や経営者の瞬発力のある発言が目立ってしまう。そのような方向性ではなく、日々、何を行なっているのか、何を気をつけているのか、それが現場のレベルとして、いろいろと書かれていた。本の中心にあるのは、美術館としてのSNSでのマーケティング戦略であるし、そこも面白い。特に森美術館は、写真撮影OK、SNS OKという、今はまだ珍しいスタイルで、そこにまつわる苦労についても面白かった。

    それから、施設や内容にもよるのだろうけれど、来館のきっかけの60%がインターネットからの情報だという。ほぼ外にいて、テレビをみないのだから、情報源はSNSによっていくわけで、これに対応していくことは必然か。そういう時代だからこそ、プロモーションの打ち方は重要だし、年々変わるトレンドに追随していくのは、人を育てて、自前でやっていくしかない。外だししても、シルバーバレットはないだろうし。

    この本は、短時間でよめて楽しい本だった。あと、本の中で気になったところの一部を引用。

    P.27 およそ60パーセントの来館者がスマートフォン・パソコン、つまりインターネットからの情報をきっかけに来館しています。チラシ・ポスターなど、紙をきっかけにして来館した来館者は、わずか20パーセント弱にとどまっています。
     さらに「インターネット」と答えた方の内訳を見ると、なんとウェブサイトを抑えてSNSをきっかけに来館した方が一番多いことがわかりました。
     いかにSNSが、展覧会に出向く動機になっているか。美術館側からしてみれば、展覧会の動員において欠かせないツールになっていることが、このデータからよくわかると思います。

    P.52 SNSはインターネットを介した、相手の顔が見えないコミュニケーションですが、先ほど述べた通り、画面の向こうには一人ひとりのユーザーがいます。ある意味では最前線の接客業ともいえるのです。
     ですから、その企業の現場をよくわかっている人がSNSを運用したほうがよいと、私は考えています。お客さんの気持ちがわからないと、一方的な投稿をしてしまったり、最悪「炎上」したりと、思わぬトラブルになる可能性もあります。顧客対応のスキルはSNS上で活かせるのです。

    P.135 美術館という文化施設の性質かもしれませんが、炎上することはほとんどありません。ただし、ブランドやレピュテーション(評判)を守るためにも、SNSに投稿するときに気をつけている話題があります。それが次の4つです。
    1 政治や思想についての個人的な感想
    2 スポーツ(特に試合結果など)についての意見
    3 宗教について
    4 性について

    P.166 森美術館のSNSのゴールは、来館してもらうという目的ただひとつです。なので、美術館のレピュテーションを安易なSNS運用で下げるわけにはいきません。コツコツ信頼を積み上げて、将来的にユーザーに来館してもらう道を選びました。 また、「中の人」が自由に発言する企業アカウントには、問題がひとつあります。それは、その人のセンスに頼ってしまうということです。つまり属人化してしまう、ということです。 多かれ少なかれ、SNSの管理者の個性は出てしまうもの。しかし、担当者が変わったら成り立たないほどに属人化してしまうのは企業側にリスクがあります。

    P.184 とりわけ地方のミュージアムは、少子化、高齢化の影響で来館者が年々減少し、人手も予算も不足しているところが多いようです。
     しかし、そうしたミュージアムこそSNSを活用してほしいと思っています。新たに人を雇う必要はありません。目立とうとする必要もありません。いまいるスタッフが、実直に、日々のことを背伸びしないでルーティーンワークで投稿していけばいいのです。

  • 読了:INSANE MODE

    INSANE MODE(インセイン・モード)を読了。簡単に言えば、概ね読みやすく、そして面白かった。テスラを中心に、電気自動車への参入のことが書かれており、それをめぐる話は面白い。ただ、テクノロジーよりでも、ビジネスよりでもなく、ストーリーになっているので、読み物としてはよいが、より深く知ろうとするには不向きかもしれない。

    また、テスラだけでなく、電気自動車にかかわる中国系のスタートアップの話もある。ここは、取材に基づき書かれているとのこと。アメリカや中国での中国系の電気自動車のスタートアップの話を知るにはよい。ただ、話がまとまっていないわけではないのだが、テスラの部分に比べると、文章のテイストが異なるので、読みにくい。中国系の部分は、別物として読んだほうがいい。普通に読むと、いきなり読みにくくなるので、挫折しそうになる。

    それから、本の売りには、「コネクティビティ」「自動運転」「シェアリング」「電気化」の最前線とあるが、どれも最前線の内容かというと、そんな感じはしない。自動運転の話は触れられているが、Googleとの比較もないし、研究開発の過程を語ってもいない。シェアリングの話もほぼない。コネクティビィティは、テスラがコネクトしている以外で、強く感じるものはない。テスラが自動車産業に参入したことを主軸としているので、テスラが中心である。テスラの話としては面白いし、電気自動車の普及という意味では面白い本だとは思う。ただ、帯の売り言葉である部分については、大して語られておらず、満足はできない。これならば、ほかの要素をいれずに、テスラだけに絞った方がよかったのではないか、と思う。

  • DNSがよくわかる教科書

    もともとはこの本の後半部分の実践編とアドバンス編にある「サイバー攻撃対策」や「DNSSECの仕組み」を読みたくて購入した。

    最初から一通り読んでみると、結構な部分で抜け落ちている知識や仕組みがあることに気が付かされた。普段の作業には影響しないが、レコードの意味や設定の背景、フルリゾルバ・スタブリゾルバの誤解など。特にP.158のコラム「再帰的問い合わせと非再帰的問い合わせ」はちゃんと理解できておらず、目から鱗が落ちた。

    それから、目的であるDNSの攻撃手法のところはわかりやすく、どういう問題があるのかが解説されており、よかった。攻撃手法はキーワードとしては先行するもののちゃんと説明されているのは素晴らしい。攻撃に対する対策もあるので、実際に当事者になったときも対処しやすいだろう。あとはありがちなファイアウォールでのポートのブロックの問題。

    P.245 ネットワーク越しの攻撃から権威サーバーやフルリゾルバーを守ろうとして、ファイアウォールやOSなどでアクセス制限適用することがあります。その際、DNSではUDPポートの53番へのアクセスのみを許可すればよいという誤った認識により、TCPポート53番へのアクセスを遮断してしまうことがあります。
     DNSの仕様では、通信手段としてTCPとUDPのいずれを使用してもよいことになっており、TCPはUDPの代替手段ではなく、通常の通信手段として使われます。そのため、権威サーバーとフルリゾルバーについてはUDPポート53番へのアクセスに加え、TCPポート53番へのアクセスも許可する必要があります。

    油断している(レビューをちゃんとしていないと)と、ブロックされてしまって安定しなくなるんだよね。

    それから、当初の目的のDNSSECをちゃんと勉強できてよかった。しっかりと書いてあり、仕組みに設定を知ることができた。今はまだ設定することはないが、使っているサービスが対応したら、DNSSECの導入もやりたいので、そのためには仕組みがわからないといけない。そこを勉強できたのはとてもよい。

    買ってよかった。

  • ルパン三世 DEAD OR ALIVE

    世の中は、金曜ロードショーで「クローン人間」だが、モンキーパンチ先生の追悼ならば、「DEAD OR ALIVE」なんじゃないだろうか。初監督作品だし、ルパンたちが劇画調で原作っぽさの雰囲気があるから。好きなルパン三世の映画やスペシャルという意味では激論になるが、追悼ならば、普段、TV放送されない「DEAD OR ALIVE」なんじゃないだろうか。

    世の中は、ほっておいて、気がつけばTVスペシャルに、映画版のDVDを多数かっていた(昔はそこに財力を費やしていたんだなと)。なので、「DEAD OR ALIVE」を鑑賞した。顔つきに賛否はあるが、いろいろな作画があるルパン三世なので、これも1つの世界。面白い。ルパンらしいというかなんというか。面白いのでよいのである。

    個人的に好きなのは、なんだろうか。「バビロンの黄金伝説」は好き。昔はよく金曜ロードショーでやっていたのだけど。それから、「バイバイ・リバティー・危機一髪!」「トワイライトジェミニの秘密」。最近だと、「イタリアンゲーム」。映画やTVスペシャルはコンパクトにまとまっているので、全体的に好きだ。というか、ルパン三世じたいが好きで、キャラクターたちが動き回るのを見ているのが好きなんだろう。モンキーパンチ先生が亡くなられたので、一つの節目なのかもしれないが、声優も世代交代しているし、この先もルパン三世は続いていくのだろう。

  • VS Codeの特集が面白かった

    今日は早く帰ったので、やっと読み切った。VS Code(Visual Studio Code)の特集は面白かったし、ぜんぜん機能を使いきれていないことを実感。断片的に情報を集めるよりも特集してくれるほうが興味ないところも載るのでよい。

    VS Codeの特集が人気すぎて、Software Designが品薄で高騰したのが残念。たぶん、街中の本屋に埋もれているのがあるはずだけど。

  • クラウドを支える技術

    この本には2つの見方がある。1つは、Googleのような大規模クラウドサービスを構築するための要素の解説。もう1つは、単純にデータセンターの作り方というか仕組みの解説だ。

    1つ目の部分は、本の中で占める部分はそれほど大きくはない。ただ、「安い非力なサーバVS高級な高性能サーバ」の比較や効率の部分は面白い。費用対効果を見た上で、どちらが優れているのか、ということになるので、そこそこ安いのを並べたからといって勝てるわけでもなく。非力なサーバを並べれば、その分、管理や並列化にかかる処理が必要なわけで、その工夫というか自動化の部分は参考になる。もちろん、WSCという考え方もだ。

    2つ目の部分は、コンピュータを収める箱を用意するという意味では、普通のデータセンターを変わりない。データセンターの構造や要素を解説している。ただ、それが利用者ではなく、データセンターの設計者として目線で書かれている。正直よくわからない部分が多い。だが、置いてある機械や構造を知ることができるのは、なかなかそういう本がないので、いい本だと思う。

    この本のメインテーマとも言えるWSC=倉庫サイズのコンピュータ(Warehaouse-Scale Computer、WSC)。WSCでは、少数の非常に大きなアプリケーションやインターネットサービスを走らせ、共通の資源管理インフラストラクチャを使用するので、「資源配置の柔軟性が高い」。一般的なアプリケーションとは、構造が異なっており、その効率化のためには、一般的なデータセンターを借りて運用するよりも、自前でデータセンターをWSCに最適化した上で作った方がよいという提案。普通の会社で、ここまでやろうとすると、かなりの大規模なサービスを提供していないとペイできないのではないか。この規模ともなると、GoogleやAmazonレベルの独自アーキテクチャを持つところの強みなんだろうと思う。

  • 3月のライオン 14

    ずっと楽しみにしていた「3月のライオン」の最新刊。ストーリーは面白かったけれど、悲しいことに将棋をほぼしていない。というか、桐山零の将棋シーン、研究シーンがない。将棋さしているところが好きなのだが。。。タイトルを取らなくてもいいから、タイトル戦していてほしい。桐山零が幸せになるのも、とても大事だが、将棋の勝敗の苦悩でおいこまれて、川本家に救われるところがいいのだけど。

    さて、次巻が出るのはいつかな。つぎは将棋さしてくれるかな。藤本棋竜あたりのような感じで将棋してくれているとよいな。

  • 読了:ドラゴンクエストXを支える技術

    ドラゴンクエストXのインフラ的な運用の話ではなく、開発と開発系の運用のお話がたっぷり詰まっていた。どうやって効率化するとか、開発するときに気をつけていることとか。開発寄りの話が多かった。ゲーム独自の部分は、ゲーム開発者にとってはとても役にたつ一つの指標だと思う。物理演算などの高負荷処理の捨て方など。TIPS的なアイデアが多く参考になるのではないか。ゲーム以外の部分だと、開発言語の話やサポートツールの話など、いろいろと参考になる部分がある。

    この本でよいのは、実際の大規模なオンラインゲームかつマルチプラットフォームで展開されているドラゴンクエストXのちょっと前の実情を知ることができるという点。なかなかこういう話は出てこないので面白い。イベントに纏わる秘話はリークされるけれど、運営や開発周りの細かいところはなかなかないので、そういうものがまとめられているだけで楽しい。ゲームもイメージできるので、そういうことなのか、と思えるところもあり、楽しく読めた。

    運用まわりの話で、気をつけないといけない、と思うところだけ、引用。

    P.70 筆者も、『PlayOnline』のベータテスト開始直前だったと思いますが、検証環境において、インターネット経路上で頻繁に破損するTCP通信を経験しました。そのときは、パケットキャプチャ、すなわち実際のパケットのデータを取得して調べました。その結果、TCPのチェックサムは正しいのに、データが壊れていることが確認されたのです。どうやらある通信機器が、パケットの中身を破壊したあとに、ご丁寧にチェックサムを計算しなおして記録していたようです。そのため、壊れているのに壊れていないパケットとして扱われていました。

    P.281 「サーバログを1種類追加するくらい大丈夫だろう」という油断もあると思います。というより、筆者自身が油断していました。ドラゴンクエストXの正式サービス開始後、ハングアップの原因で最も多いのがサーバログの追加であることに気付き、以後は慎重に判断するようになりました。

    他にも、いろいろと考えさせられるところはあったけれど、運用まわりの部分だけ。障害の原因発見には、経験値からくる感だけではだめで、FACTが重要ということ。思い込みで発見できることもあるが、わからないときは観測して原因を探らないといけないという教訓じゃないだろう。

  • ハーバードの人生が変わる東洋哲学

    西洋哲学にどっぷりな人からすると、東洋哲学は刺激的なのかもしれないが、仏教だの日本神話などに慣れ親しんでいる日本人からすると、ふーん、という程度。そもそも、根底になる教えは大陸から伝来していることから、日本の中にゆるく流れている気はする。どっちつかずというか性善説というか。まぁ、読み物としては、アメリカの人は、そう考えるのね、という意味では面白い。学ぶべきことがあるかどうかは、その人の生き方次第。読んでみるのは悪くはない。

    気になったところのメモ

    P.65 西洋人が真の自分と定義しているものは、実際には人や世界に対する連続した反応のパターンにすぎず、時とともに蓄積されたものだ。たとえば、「自分はとにかくイライラしやすいたちだ」と思っている人がいるかもしれない。けれども、それはむしろ、長年にわたる人とのかかわり方が原因で、ささいなことにも苛立つ人間になってしまっているだけの可能性が高い。本当にイライラしやすい人間だからではない。「真の自分」に忠実でいることが、有害な感情の習癖を固定化する結果になってしまう。

    P.66 孔子にならうなら、自分の行動パターンを知り、積極的にその修正に取り組む方法がある。ゆっくり時間をかけて行動パターンを打破する

    P.168 学識者になるために音楽や詩が重要だったのは、それがある種の平静さの感覚を修養するからだ。
      怒りをおさめるには詩歌に勝るものはなく、憂いを断つには音楽に勝るものはない。
     詩や音楽が<気>の修養になるのは、人がそれを通じて人類に共通する経験に対してもっと敏感に反応し、もっと深くつながり、もっと感応する感覚を得られるからだ。詩や音楽によって、人間であることの意味がいきなり鮮明になったり、感動するような洞察が得られたりすることがある。