カテゴリー: 本・DVD等

  • 読了:INSANE MODE

    INSANE MODE(インセイン・モード)を読了。簡単に言えば、概ね読みやすく、そして面白かった。テスラを中心に、電気自動車への参入のことが書かれており、それをめぐる話は面白い。ただ、テクノロジーよりでも、ビジネスよりでもなく、ストーリーになっているので、読み物としてはよいが、より深く知ろうとするには不向きかもしれない。

    また、テスラだけでなく、電気自動車にかかわる中国系のスタートアップの話もある。ここは、取材に基づき書かれているとのこと。アメリカや中国での中国系の電気自動車のスタートアップの話を知るにはよい。ただ、話がまとまっていないわけではないのだが、テスラの部分に比べると、文章のテイストが異なるので、読みにくい。中国系の部分は、別物として読んだほうがいい。普通に読むと、いきなり読みにくくなるので、挫折しそうになる。

    それから、本の売りには、「コネクティビティ」「自動運転」「シェアリング」「電気化」の最前線とあるが、どれも最前線の内容かというと、そんな感じはしない。自動運転の話は触れられているが、Googleとの比較もないし、研究開発の過程を語ってもいない。シェアリングの話もほぼない。コネクティビィティは、テスラがコネクトしている以外で、強く感じるものはない。テスラが自動車産業に参入したことを主軸としているので、テスラが中心である。テスラの話としては面白いし、電気自動車の普及という意味では面白い本だとは思う。ただ、帯の売り言葉である部分については、大して語られておらず、満足はできない。これならば、ほかの要素をいれずに、テスラだけに絞った方がよかったのではないか、と思う。

  • DNSがよくわかる教科書

    もともとはこの本の後半部分の実践編とアドバンス編にある「サイバー攻撃対策」や「DNSSECの仕組み」を読みたくて購入した。

    最初から一通り読んでみると、結構な部分で抜け落ちている知識や仕組みがあることに気が付かされた。普段の作業には影響しないが、レコードの意味や設定の背景、フルリゾルバ・スタブリゾルバの誤解など。特にP.158のコラム「再帰的問い合わせと非再帰的問い合わせ」はちゃんと理解できておらず、目から鱗が落ちた。

    それから、目的であるDNSの攻撃手法のところはわかりやすく、どういう問題があるのかが解説されており、よかった。攻撃手法はキーワードとしては先行するもののちゃんと説明されているのは素晴らしい。攻撃に対する対策もあるので、実際に当事者になったときも対処しやすいだろう。あとはありがちなファイアウォールでのポートのブロックの問題。

    P.245 ネットワーク越しの攻撃から権威サーバーやフルリゾルバーを守ろうとして、ファイアウォールやOSなどでアクセス制限適用することがあります。その際、DNSではUDPポートの53番へのアクセスのみを許可すればよいという誤った認識により、TCPポート53番へのアクセスを遮断してしまうことがあります。
     DNSの仕様では、通信手段としてTCPとUDPのいずれを使用してもよいことになっており、TCPはUDPの代替手段ではなく、通常の通信手段として使われます。そのため、権威サーバーとフルリゾルバーについてはUDPポート53番へのアクセスに加え、TCPポート53番へのアクセスも許可する必要があります。

    油断している(レビューをちゃんとしていないと)と、ブロックされてしまって安定しなくなるんだよね。

    それから、当初の目的のDNSSECをちゃんと勉強できてよかった。しっかりと書いてあり、仕組みに設定を知ることができた。今はまだ設定することはないが、使っているサービスが対応したら、DNSSECの導入もやりたいので、そのためには仕組みがわからないといけない。そこを勉強できたのはとてもよい。

    買ってよかった。

  • ルパン三世 DEAD OR ALIVE

    世の中は、金曜ロードショーで「クローン人間」だが、モンキーパンチ先生の追悼ならば、「DEAD OR ALIVE」なんじゃないだろうか。初監督作品だし、ルパンたちが劇画調で原作っぽさの雰囲気があるから。好きなルパン三世の映画やスペシャルという意味では激論になるが、追悼ならば、普段、TV放送されない「DEAD OR ALIVE」なんじゃないだろうか。

    世の中は、ほっておいて、気がつけばTVスペシャルに、映画版のDVDを多数かっていた(昔はそこに財力を費やしていたんだなと)。なので、「DEAD OR ALIVE」を鑑賞した。顔つきに賛否はあるが、いろいろな作画があるルパン三世なので、これも1つの世界。面白い。ルパンらしいというかなんというか。面白いのでよいのである。

    個人的に好きなのは、なんだろうか。「バビロンの黄金伝説」は好き。昔はよく金曜ロードショーでやっていたのだけど。それから、「バイバイ・リバティー・危機一髪!」「トワイライトジェミニの秘密」。最近だと、「イタリアンゲーム」。映画やTVスペシャルはコンパクトにまとまっているので、全体的に好きだ。というか、ルパン三世じたいが好きで、キャラクターたちが動き回るのを見ているのが好きなんだろう。モンキーパンチ先生が亡くなられたので、一つの節目なのかもしれないが、声優も世代交代しているし、この先もルパン三世は続いていくのだろう。

  • VS Codeの特集が面白かった

    今日は早く帰ったので、やっと読み切った。VS Code(Visual Studio Code)の特集は面白かったし、ぜんぜん機能を使いきれていないことを実感。断片的に情報を集めるよりも特集してくれるほうが興味ないところも載るのでよい。

    VS Codeの特集が人気すぎて、Software Designが品薄で高騰したのが残念。たぶん、街中の本屋に埋もれているのがあるはずだけど。

  • クラウドを支える技術

    この本には2つの見方がある。1つは、Googleのような大規模クラウドサービスを構築するための要素の解説。もう1つは、単純にデータセンターの作り方というか仕組みの解説だ。

    1つ目の部分は、本の中で占める部分はそれほど大きくはない。ただ、「安い非力なサーバVS高級な高性能サーバ」の比較や効率の部分は面白い。費用対効果を見た上で、どちらが優れているのか、ということになるので、そこそこ安いのを並べたからといって勝てるわけでもなく。非力なサーバを並べれば、その分、管理や並列化にかかる処理が必要なわけで、その工夫というか自動化の部分は参考になる。もちろん、WSCという考え方もだ。

    2つ目の部分は、コンピュータを収める箱を用意するという意味では、普通のデータセンターを変わりない。データセンターの構造や要素を解説している。ただ、それが利用者ではなく、データセンターの設計者として目線で書かれている。正直よくわからない部分が多い。だが、置いてある機械や構造を知ることができるのは、なかなかそういう本がないので、いい本だと思う。

    この本のメインテーマとも言えるWSC=倉庫サイズのコンピュータ(Warehaouse-Scale Computer、WSC)。WSCでは、少数の非常に大きなアプリケーションやインターネットサービスを走らせ、共通の資源管理インフラストラクチャを使用するので、「資源配置の柔軟性が高い」。一般的なアプリケーションとは、構造が異なっており、その効率化のためには、一般的なデータセンターを借りて運用するよりも、自前でデータセンターをWSCに最適化した上で作った方がよいという提案。普通の会社で、ここまでやろうとすると、かなりの大規模なサービスを提供していないとペイできないのではないか。この規模ともなると、GoogleやAmazonレベルの独自アーキテクチャを持つところの強みなんだろうと思う。

  • 3月のライオン 14

    ずっと楽しみにしていた「3月のライオン」の最新刊。ストーリーは面白かったけれど、悲しいことに将棋をほぼしていない。というか、桐山零の将棋シーン、研究シーンがない。将棋さしているところが好きなのだが。。。タイトルを取らなくてもいいから、タイトル戦していてほしい。桐山零が幸せになるのも、とても大事だが、将棋の勝敗の苦悩でおいこまれて、川本家に救われるところがいいのだけど。

    さて、次巻が出るのはいつかな。つぎは将棋さしてくれるかな。藤本棋竜あたりのような感じで将棋してくれているとよいな。

  • 読了:ドラゴンクエストXを支える技術

    ドラゴンクエストXのインフラ的な運用の話ではなく、開発と開発系の運用のお話がたっぷり詰まっていた。どうやって効率化するとか、開発するときに気をつけていることとか。開発寄りの話が多かった。ゲーム独自の部分は、ゲーム開発者にとってはとても役にたつ一つの指標だと思う。物理演算などの高負荷処理の捨て方など。TIPS的なアイデアが多く参考になるのではないか。ゲーム以外の部分だと、開発言語の話やサポートツールの話など、いろいろと参考になる部分がある。

    この本でよいのは、実際の大規模なオンラインゲームかつマルチプラットフォームで展開されているドラゴンクエストXのちょっと前の実情を知ることができるという点。なかなかこういう話は出てこないので面白い。イベントに纏わる秘話はリークされるけれど、運営や開発周りの細かいところはなかなかないので、そういうものがまとめられているだけで楽しい。ゲームもイメージできるので、そういうことなのか、と思えるところもあり、楽しく読めた。

    運用まわりの話で、気をつけないといけない、と思うところだけ、引用。

    P.70 筆者も、『PlayOnline』のベータテスト開始直前だったと思いますが、検証環境において、インターネット経路上で頻繁に破損するTCP通信を経験しました。そのときは、パケットキャプチャ、すなわち実際のパケットのデータを取得して調べました。その結果、TCPのチェックサムは正しいのに、データが壊れていることが確認されたのです。どうやらある通信機器が、パケットの中身を破壊したあとに、ご丁寧にチェックサムを計算しなおして記録していたようです。そのため、壊れているのに壊れていないパケットとして扱われていました。

    P.281 「サーバログを1種類追加するくらい大丈夫だろう」という油断もあると思います。というより、筆者自身が油断していました。ドラゴンクエストXの正式サービス開始後、ハングアップの原因で最も多いのがサーバログの追加であることに気付き、以後は慎重に判断するようになりました。

    他にも、いろいろと考えさせられるところはあったけれど、運用まわりの部分だけ。障害の原因発見には、経験値からくる感だけではだめで、FACTが重要ということ。思い込みで発見できることもあるが、わからないときは観測して原因を探らないといけないという教訓じゃないだろう。

  • ハーバードの人生が変わる東洋哲学

    西洋哲学にどっぷりな人からすると、東洋哲学は刺激的なのかもしれないが、仏教だの日本神話などに慣れ親しんでいる日本人からすると、ふーん、という程度。そもそも、根底になる教えは大陸から伝来していることから、日本の中にゆるく流れている気はする。どっちつかずというか性善説というか。まぁ、読み物としては、アメリカの人は、そう考えるのね、という意味では面白い。学ぶべきことがあるかどうかは、その人の生き方次第。読んでみるのは悪くはない。

    気になったところのメモ

    P.65 西洋人が真の自分と定義しているものは、実際には人や世界に対する連続した反応のパターンにすぎず、時とともに蓄積されたものだ。たとえば、「自分はとにかくイライラしやすいたちだ」と思っている人がいるかもしれない。けれども、それはむしろ、長年にわたる人とのかかわり方が原因で、ささいなことにも苛立つ人間になってしまっているだけの可能性が高い。本当にイライラしやすい人間だからではない。「真の自分」に忠実でいることが、有害な感情の習癖を固定化する結果になってしまう。

    P.66 孔子にならうなら、自分の行動パターンを知り、積極的にその修正に取り組む方法がある。ゆっくり時間をかけて行動パターンを打破する

    P.168 学識者になるために音楽や詩が重要だったのは、それがある種の平静さの感覚を修養するからだ。
      怒りをおさめるには詩歌に勝るものはなく、憂いを断つには音楽に勝るものはない。
     詩や音楽が<気>の修養になるのは、人がそれを通じて人類に共通する経験に対してもっと敏感に反応し、もっと深くつながり、もっと感応する感覚を得られるからだ。詩や音楽によって、人間であることの意味がいきなり鮮明になったり、感動するような洞察が得られたりすることがある。

  • セキュリティのためのログ分析入門

    読了。ログ分析の入門書という位置付けなので、ログ分析のターゲットがウェブで公開されているシステムになっている。そのため、社内のシステムのログ分析などについては応用しにくい。ただ、ウェブサーバを使うシステムであれば、分析を始めるためのきっかけになることが多数書いてあるので、方向性をきめたり、ログ分析を始めるキッカケにはよい本。

    サンプルでスクリプトが多く記載されているので、似たような環境であれば、同じようにログ分析を組めるのもよい。あとは、独自でログ分析をやってしまうと、他はどういうようにやっているのだろう?という疑問が生まれるが、一つのケーススタディというか比較先にも使える。そして、分析はやっぱり、スクリプトを書いて絞り込みというのが主流というのも心強い。汎用化できるところ、できないところ、ケースバイケースなので、迷いがち。それでよいとも言えるので。

    あと、R言語(R Studio)でのログ分析自動化の構築の解説もよい。よくを言えば、Elasticsearch+Kibanaについてあるとよかったけれど、それはそれで本を買えばよいか。

  • AIアシスタントのコア・コンセプト

    読了。

    従来のような画面(ブラウザ)型のインターフェースから、会話型のインターフェースにかわることで、意思決定プロセスやビジネスモデル、データの扱いなどについて図解されている。一つ一つはコンセプトの説明になっているので、気になるトピックだけをつまみぐいもよい。AIアシスタントを使う(ユーザではなく、作る側)上でのとっかかりにはよい本ではないか。この本を読んでも専門家になれるわけではなく、俯瞰するようなイメージを掴むことができる本だった。

    以下は、読んでいて気になったところの抜粋。

    P.14 AIアシスト機能は、一般的に「個人秘書」の役割を代替するものとしてイメージ・設計されており、現在はユーザーの情報管理を支援する機能として主に実装されています。

    P.14 近年、IoT(Internet of Things)や大規模演算処理の高度化にともない、購買履歴や行動履歴などビッグデータを解析することが比較的容易になってきたことから、AIアシスト機能によるユーザー支援も、ユーザーの要望に応じて作業をこなす従来のあり方から、ユーザーの意思決定を促したり、代替したりするものへと進化を続けています。それにしたがい、AIアシスト機能のイメージ・設計も、「個人秘書」から「代理人」へと、その役割を大きく転換させつつあります。

    P.20 意欲前/意欲後領域は、購買行動プロセスを念頭に、システム側による同期付けから実際の購買までを、ユーザーによる意欲の認識時点を中心に再記述したものです。つまり、購買行動プロセスを時間軸として捉え、意欲の認識時点を中心に左側を意欲前、右側を意欲後として線形に描いてみるわけです。

    P.20 「意欲前領域」は、コマースにとっては未踏の領域です。しかし今後は、AI関連技術のさらなる高度化により、AIアシスト機能がユーザーの潜在的な意欲を引き出すレコメンドを行ったり、ユーザーに代わって購買活動を行うなど、「意欲前領域」に関わる技術が活発に開発されるようになるでしょう。

    P.34 サールズ(ドク・サールズ)が概念提起した頃よりもAI関連技術はさらに高度化していることから、私たちは、サールズが提示したVRMモデルを翻案し、AIアシスト機能を実現するための仕組みとして、A2(=AI Assistant)/VRMモデルを概念化したいと考えています。

    P.34 A2/VRMモデルの要点は、第一に、PDS(パーソナルデータストア)という概念を導入することで、個人情報の取り扱いに関する機能を具体的に示していることにあります。

    P.34 要点の第二は、AIアシスト機能をビジネスとして展開する事業者の立場やサービスを、サールズ同様に「フォースパーティ」として捉えることで明確にできる点が挙げられます。

    P.36 VRM(Vender Relationship Management)は、2006年にドク・サールズが『インテンション・エコノミー』で提唱した市場概念です。VRMは、これまで主流であったCRM(Customer Relationship Management)に対抗・刷新するものとして位置付けられています。CRMが統計的なデータを元にマーケティング活動を通じてマス・サービスを提供するモデルであるなら、VRMは、顧客から選択的・自主的に提供された購買履歴などのパーソナルデータの分析を通じて、事業者がその顧客に対して個別にカスタマイズしたサービスを提供するモデルであると言えます。

    P.38 VRMモデルは、個々人が自主的に自分のパーソナルデータを運用することを中核にしたモデルです。このモデルにおいて、パーソナルデータを管理する仕組み・概念は、「パーソナルデータストア」(Personal Data Store: PDS)と呼ばれます。こう言ってよければ、パーソナルデータを預け運用するための情報銀行です。PDSは、サービスを利用することで企業に蓄積される購買履歴や行動履歴などのパーソナルデータを一元的に管理することを可能にし、また、私たちが利用したいと望むサービスを提供する企業に対して、自分のパーソナルデータを選択的かつ自主的に提供することを可能にする仕組みであると言えます。PDSは、VRMモデルの始点にして要でもあるのです。

    P.64 構造上は「オプトアウト」と呼ばれる方式なのですが、その背景には、私たちの怠惰な性質を逆手に取る「ナッジ」という戦略があるわけです。「ナッジ」は「選択以前の選択」である仕組みや構造、いわばアーキテクチャによって、私たちに特定の「行為選択」をするように促すものなのです。
     「何を選択するか」から「何が選択させるか」への発送の転換が、「意識前領域に関わる分野」には必要とされていると言えます。しかし、こうした手法や考え方は、大きな効果をもたらすからといって、無節操に活用されるべきではありません。私たちには自由があるべきであり、その自由には他者を傷つけない限りで、あえて愚かな選択をする自由も含まれているはずだからです。

    P.120 AI関連技術は人間の生活を大きく変えることになるでしょう。そして、それは即時性と帯域拡大の追求に終わりを告知し、新たな方向性を切り開くものになるはずです。そこでは、脳がマシンに接続されることはなく、「マン・マシン・インターフェイス」の新たなデザインがもたらされるかもしれません。私たちは、そんな未来の可能性「アンプラグド・コンセプト」と呼んでいます。

    P.122 本書でも述べてきた通り、AI関連技術には、パーソナルデータを活用しながら私たちの意思決定を代行したり、それを促したりするように働くことが期待されます。しかし、そうしたAI関連技術の働きは、何も複数のタスクを同時に処理することに資するだけではありません。むしろ反対に、適切な時間に適切な場所で、必要なタスクだけを私たちが処理できるように仕向けることもできるのです。
     常時接続からの解放という点では、目下の情報化社会が、IoTをはじめとしてさまざまなものをネットに接続しようと試みていることも追い風になるでしょう。こうした方向をさらに推し進め、私たちを取り巻く「環境」そのものを情報端末として拡張すれば、「環境」が私たちをセンシングし、その結果をネット上のAIアシスト機能に送ることで、私たちは身体を拡張することなく、タスクを配分するAIアシスト機能の恩恵に与れるようになるはずです。
     私たちは、こうした構想を「アンプラグド・コンセプト」と定義するとともに、ホモ・デウスとは別様な、もうひとつの未来のビジョンとして提唱したいと思うのです。ここで改めて「アンプラグド・コンセプト」の基本理念を述べるとすれば、それは「常時接続からの解放」ーーつまり身体拡張から環境拡張への転換と、「非注意性盲目の緩和」ーーすなわち複数タスクの同時的な処理から時空間的な再配分への転換であると言えるでしょう。
     ホモ・デウスが身体を拡張するという点で「足し算の思考」であるとするなら、「アンプラグド・コンセプト」は私たち人間の負担を切り下げ、私たちをより自由に、より賢くするための「引き算の思考」であると言えるのです。