カテゴリー: 本・DVD等

  • 読了:医学のたまご

    小説なので、さくっと読めた。テンポがよくて、読みやすくて、テーマが美味しいところだけを獲ろうとする大人の汚さで面白い。学術論文をめぐるようなアルアルな感じもいい。医学部に限らず、社会学的なものでも、同じようなことはありそうだ。本人の知らぬところで、勝手に事が大きくされて、最後にはしごを外されるのはよくありそうだ。

    小説としても、面白いのだけど、章題がぐさりとくる。「悪意と無能は区別がつかないし、つける必要もない」とか「世の中で一番大変なのは、ゴールの見えない我慢だ」、「閉じた世界は必ず腐っていく」はよい。本当に、これは、そうだと思う。わかってはいても、大変である。しかしながら、気がつけるかどうか、対処できるかどうかは重要なんだが、これは手に余ることが多いので、どうにもならなかったりする。組織や人というのはそういうものだろう。

    それから、次点としては、「エラーは気づいた瞬間に直すのが、最速で最良だ」だ。これも本質であるのだけど、普段から身にしみてやっていることなので。エラーはさっさと直すのが一番だ。

    それで、小説の話としては、最後のエピローグがもうちょっとあるとスッキリしたかも。事件としては、解決というか収束しているのだけど。気になる余韻があるのが狙いだろうか。

  • 読了:ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣

    読了。低気圧にかぎらず、晴れてても、たまに急に頭痛になったりするので、セルフマッサージやセルフヨガ(リングフィット)などで、身体のメンテナンスはするようにしていた。その答え合わせというか、方向性のチェックがしたくて。概ね方向性はあっていた。

    年をとってきて、だいぶ無理がきかないので、気圧変化に弱くなっている。で、晴れていても、ということがあったけれど、天気痛だったようだ。自律神経まわりのケアと血行促進は必要なようで。ここはより気をつけていかないと、と再確認。結局のところ、天気通は気圧の変化による水分バランスの変化がおきることによる副反応で、むくみや血管の萎縮拡張で頭痛やだるさなどの不調が起きること。とはいえ、これが一番、対処しにくいわけで、生活習慣だったり身体の代謝をあげてる、血行を良くするが一番の対処法のようだ。

    真剣に読むというよりも、読み流しな感じだった。まぁ、やりやすいところだけを吸収できれば良いし、天気痛の概要もわかってよかった。

  • 読了:インタフェースデザインの心理学 第2版

    読了。なるほど、心理学的なテクニックもかなり重要。何気なく作っていたデザインも心理学的にあっているものもある。そうでないものも多いけれど。感覚的なものでも十分沿っている感じはするが、裏付けがあると心強い。全部できるわけじゃないが、意識をしておくことは重要だ。

    それから、100項目に別れているので、1つのトピックスが長くなくて、読みやすい。読むのをやめやすいし、再開しやすい。デザイン的に余白が多いのは読みやすさのためでよい。

    面白くてよかった。

    中でも興味深かったのは、

    段階的開示を行うと、利用者は何度もクリックする必要が生じます。ウェブサイトのデザインに関連して、「詳細情報にたどり着くまでにクリックする回数はできるだけ少なくしなければならない」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかしクリックの回数は重要ではありません。むしろ、ユーザーは喜んでクリックをします。クリックのたびに適度な情報を得ながら先へ進めるのであれば、クリックしていることを意識しないでしょう。何回クリックするかを数えるよりも、段階的開示を行うことを検討してみてください。

    P.78 インタフェースデザインの心理学 第2版

    の部分だ。クリック数は少ないほうがよいという思い込みがあった。よくあるウェブの記事で、数ページにわたりクリックさせていくものがあるが、あれは広告効果と人間の心理をついた絶妙なものであったということが衝撃だ。たしかに気になれば、次をクリックしてしまうわけで。そういうカラクリもあるか、と。そして、集中できないからこそ、ハイパーリンクによる移動が理に叶うというのも面白い。

    あとは、よくあるドーパミンの話も。脳の話にしても、インタフェースの話にしても、ドーパミンループの話はでてくる。よい意味でも、悪い意味でも、出てくるので、サービスデザインやインタフェースデザインでもかなり重要な要素だ。

    「ドーパミンループ」に陥っているのを何とかやめたいと思う人もいるでしょう。ドーパミンシステムが刺激され続けると、心も体も消耗してしまいます。ループを抜け出すには情報探索環境からの離脱が必要です。つまり、コンピュータの電源を切り、携帯電話を目に入らないところに置くのです。有効な方法のひとつは、着信音やアイコンなどのお知らせ機能を停止することです。

    P.149 インタフェースデザインの心理学 第2版

    あえて目を引くようにして、ドーパミンを出させるか、それとも出させないようにするか、本当に考えることが多い。

    この本は、続編もあるので、そちらも読んでみたい。

  • 読了:ソフトウェアデザイン 2021年7月号

    なるほど、こういうゼロトラスト対応の解き方もあるか。パターンとして、参考になった。ゼロトラストは、概念というか考え方なので、正解がない。お金をかけて、IDaaSを使えればよいのだけど、使ったからといって、それが解でもないのが難しいところ。いろいろな紐解き方が雑誌などで出てくれると、事例として使いやすくなるので、貴重だ。

    それから、WSL2本格入門もよかった。この記事の後半は知らないことが多くて、「なるほど!」的なことが多く、読んでいて楽しかった。WSLのネット上の文献もいいのだけど、本というか雑誌だと、いろいろと読めてよい。

  • 読了:心理的安全性のつくりかた

    読了。なるほど!という感想。自由に発言できるだけじゃないよね、心理的安全性って。どういう環境かを考えると、「つくりかた」に焦点はあたるか。これは、なかなか難しい。トライはできるが、その状態のチームを作ることっていうのは難しいな。チーム全員がプロフェッショナルな思考である必要があるわけで(実質的に、プロフェッショナルでなくてもよいのだけど、思考としては必要)。2:6:2の法則も考えると、全体ではなくて、一部のチームに限定されていくのだろうけど。強要しないことも重要かも。心理的安全性があるといいし、そういうチームは一種の理想形だな。

    それで、現実は、というと、理想形とは程遠い。ぬるい職場としての心理的安全性があるところならば多いかもしれないが。もしくは、ある一つのことに対しては、発言ができるなど。困難を乗り越えるためのチームという意味での心理的安全性とは、違う何でも話せる職場はそれなりにあるけれど、だ。心理的安全性=なんでも話せる、ということがフォーカスされると、本来の意味とは違う使われかたと実現のされかたをされていってしまう、と思う。難しいね。


  • 読了:標本バカ

    ずっと気になっていた「標本バカ」を読了した。買って一気読み。読みやすいし、標本づくりの話が面白い。特異な標本作成の世界が刺激的だった。イラストも面白くて楽しめた。

    標本づくりも、いろいろなエピソードがあって面白い。骨格標本に剥製に、そういう使いみちというか、研究の仕方があるのか、という発見もあり。博物館で標本をみるときの見方もかわる、楽しみ方も増えた気がする。標本を収集する意味もわかった。こういうことは、面白そうな本になって、読まないとわからないものだ。科博には、何回も何回も行っているのだが、恐竜の化石や科学のところばかり見てしまうので。剥製のコーナーももっとじっくりと見てみようと思う。

    それから、骨からの肉の除去は、自然のちからでやると思っていたら、科博は煮るのかと。本を読んでいるだけでも、大量の動物が運びこまれているわけで、その労力はすごすぎる。研究機関の地道な活動だ。動物園の死んだ動物たちの行き先もわかってよかった。貴重な動物たちだし、どうしているのかと思っていたけれど、しっかりと死後も活用されていることがわかってよかった。

    本当に面白い本だった。

  • 読了:デジタルネイティブ世代のニューノーマル 人生が動き出す妄想する力

    読了。妄想というので、どんな内容かと思ったが、意外に普通で面白かた。妄想というよりも、イマジンな感じ。もちろん、いい意味でだ。

    タイトルに引きずられると、いけない。本の内容としては、日本とアメリカの違いで、いいところ取りの話。文化の違いをハックして、ポジティブにアメリカ進出するような感じ。この実体験に基づく過ごし方というのは、面白い。なんか飛び込んでもやっていけそうな気がする(それでも最低限の英語力は必要そうだけど)。アメリカ最高みたいなものは多いけれど、そこで生かせる日本の強みに焦点を当てていて、ライトな文体で読みやすいのはよい。いろいろなヒントが満載の本だと思う。

    面白かった。

  • 読了:すぐそこにあるサイバーセキュリティーの罠

    読了。手口としては、全部知っていた。よかった。手口を知っていたからと言って、引っかからないとは限らないのが悲しいところ。本にもあるが、本当に巧妙になっているので、騙される可能性は否定できない。

    海外からの不在着信の謎というかカラクリはそういうことだったのか、という感じ。海外からのワン切りなので、詐欺か何かであることはわかっていたが、それで仕掛ける側はどう特をするのかは、わからなかった。なるほど、詐欺グループと通信会社の一部が繋がっている可能性があるのであれば、収益をあげる仕組みは納得できる。確定ではないにしても、納得できる理ではある。

    それから、クラッカー集団というかサイバー攻撃もエコシステム化されていて、歯車として働く人はバーンアウト症候群になるというのも面白い。まぁ、ツールがやるわけなので、単純作業の繰り返しにもなれば、チャレンジングでもないし、普通は飽きるな。なにか使えそうな良いネタがあるかと思ったけれど、良くも悪くも大丈夫そうだ。マトリックスのネオみたいなイメージは昔はあったけれど、今はそういうこともない。穴があるかどうかでさえの確認もツールがやるわけで。一部の上級を除けば、ツールに使われるようなものだし。燃え尽きるのもわかる気がする。

    他は、テレワークでVPNが狙われているのはわかっている。急造のVPNが多いので、そういうところは狙われやすい。アクセス元の端末を制限できていれば、そうでもないが。最近は、VPNでつないで、会社のデスクトップを操るタイプのリモートワークの仕組みが売り込まれているので、そういうタイプは侵入された終わりだろうな、というのはわかる。急造なものは、考慮している時間もなりなくなるので、大変だ。

  • 読了:ロボット法

    読了。ロボット法は、本の表紙とタイトルが気になっていて、ずっと読もうと思っていた本。

    もっとライトな感じのロボットに関する法律などの話だと思っていた。読んでみたら、がっつり法律書みたいな感じだ(法律書を読んだことはない)。終始お堅い感じの表現で、注釈が多い。読みやすいような、読みにくいような。判例的な事例の部分は慣れないので、読むのが大変だった。

    しかし、普段は読まない分野の本なので、いろいろな発見もあった。普段、法律の部分はまったく気にしたことがなかったが、こういう世界もあるのだな、と感じられた。本が面白かったかどうか、というよりも、自分の世界観は広がった気がする。

    • 議論するためのベースがなければ、議論もできないし、法律(法案)もつくれない。
    • 法律は、国ごとにつくるため、国によって、ロボットやAIなどに対する検討を行っており、進み具合は国によって異なる。
    • 未来像として、SF小説や映画が議論の題材になっている。
    • アイザック・アシモフのロボット3原則は、かなり真剣に法律研究者の中で議論されている。
    • 現在実世界との地続きになるので、既存の判例(工業機械での死亡事故などの裁判の判例)をもとに考えられている。
    • トロッコ問題を如何にロボットやAIに処理させるかが重要で、処理のさせ方次第だと、解釈による抜け道により、SFのディストピアの世界に繋がってしまう。
    • だれが責任を負うのかが議論になっている。ロボット自体なのか、使用者なのか、製造者なのか。
    • ロボットにも権利が必要かなど、いろいろな団体がアピールしていてカオス。

    現実世界の法律と未来像をもとにして、シミュレーションされており、解釈の仕方がいろいろな意味で焦点になっている。そもそも現実世界のルールをツリー構造かなにかで全部仕分けできればよいのだろうけれど、そういうことにならず、そうなると状況の解釈が重要で、効率よく解釈されると、それは人間にとってのディストピアな世界になるかもしれない。それで、さまざまな議論がされていると、そして結論はでないと。法律の世界は難しい。裁判員の法律解釈でも変わるわけなので、それは、ちゃんと研究しているともなれば、どのような文面の法律がよく、意図したとおりに解釈されるかは重要だと思う。(だが、理解しきれない分野だ)

    現実世界の憲法解釈も都合よく現代社会に合わせて変更されているので、本当に法律の世界は難しく、それがこれから新しく出現しようとしている世界(遠からず訪れるだろうが架空の世界)ともなれば時間はかかる。それで、日本でもこの手の議論は必要と。時間はかかるから、また出遅れそうな感じもする。技術開発だけでなく、こういう現実世界にフィットさせるための議論があって成り立つのだな、感じた。

  • 読了:デジノグラフィ

    読了。なかなか面白かった。ビッグデータから無意識の共通点を探るのではなく、生活者の個の価値観や欲求をエスノグラフィで探すというもの。インサイト発見に焦点は面白い。これをやったからといって、解がみつかるわけではないが、解を探すための気づきの発見にはよいと思う。よくもわるくも、デジタル化によって、いろいろな情報が残っているので、解像度高く、エスノグラフィをできるのはよいかも。

    実際の分析の技法の部分は、あまりないのは物足りない人もいるかもしれないけれど、実際に分析した事例が多く載っているので、そっちをみたほうがよい。技法はあくまでもツールでしかないので。そういう意味では、本についていた帯が微妙なのだと思う。本自体は悪くない、というか、面白く読めた。

    いくつも気になったところはあるのだが、最後にあるこれは重要なことだと思う。データ分析で他者の関心をひけるというのは重要。ビッグデータも、なんかこうなっている、だけでは関心を引けない。

    P.220 デジノグラフィで明らかになるインサイトや生活者の実態には、職種や役職にかかわらず、あるいは社外の人であっても誰もが関心を示してくれる、というケースが多くあります。それは利益がどうとか、専門や担当分野の範囲かといったこととは関係なく、自身が生活者である一人の人間としてデジノグラフィで見える様々な人間の実態に、「なんでだろう?」「自分にも当てはまるだろうか?」「裏側にどんな心理があるんだろう?」といった探究心や好奇心が芽生えるからです。
     私たちがデジノグラフィに大きな可能性を感じているのは、まさにその点にあります。このアプローチから生まれた生活者に関する発見は、マーケティングや新しいビジネスに活用できるということ以上に、誰もが関心を抱き、自分なりの発想を飛ばすことができるものなのです。

    デジノグラフィ インサイト発見のためのビッグデータ分析