読了:デザインの言語化

どう、デザインを言語化して説明するのか、テクニカルなものがあるのかと思って読んでみた。かなり思っていた内容とは違っていた。デザイナーがクライアントとデザインの方針をあわせるために、やり取りをするときに気をつけることがまとまっている本だった。

個人的に期待していたのは、デザインのコンセプトや説明などを、他に作業する人がわかりやすく、テクニカルに使えるような言語化を期待していた。だが、読んでみると、発見もあるものだ。例えば、下記のようなところだ。

P.59 「センスがいい」といわれるものは、多くの人が共感するもの(=平均値)

世のなかのデザインが、セオリーどおりなのか、型破りなのか意識して見る訓練をしてみる

P.107 「シンプルなデザインで」と依頼したクライアントが、じつはミニマルなデザインにしたかった、ということもある

シンプル = 調和、普遍的、最小限に足す

ミニマル = 強調、特徴的、最大限に削る

「センスがいい」が共感を得られる平均値的な解を見つけることができるという能力。センスがよくても、アートではダメだということでもある。センスがないというのは、独自のなにかをやれそうでもあるというのは、面白くていい。そういうように考えたことはなかった。

シンプルとミニマルの違いも発見だった。よく似ているが、説明できるかというと、できない。シンプルが好きだと思っていたが、実は好きなものはミニマルだった。シンプルとミニマルを意識するだけでも、いろいろと変わりそうな気がする。

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