読了:「できる人が 辞める会社 活きる会社」DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー22年8月号

やっと読了した。「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー22年8月号」は、特集が「できる人が 辞める会社 活きる会社」でとても興味を惹かれた。特集ページも長かったので、読み終えるのに時間がかった(途中で積ん読になったのも要因だが)。

この特集は面白く、いろいろと考えさせられた。会社への定着は「仕事内容への愛着」であり、「信頼」でもある。通常の従業員をつなぎとめる要因は、これであるのだけど、スター人材はこれでだけでは足りない。「優れた人材にとって大事なのは、報酬よりも自分が特別だと感じられることである」「スター社員の人材管理の秘訣は、彼らを個人として高く評価していると感じさせること」というのが重要だという。なんというか、肌感覚としてわかる。ある程度までは、報酬で報いいられるだろうけど、組織としての枠があるので、報酬にも限度がある。そうなると、やはり、認められるという感覚が重要だ。組織に必要だと思われているとか大事にされているとか、そういうことがさらなる愛着につながるわけだ。これが崩れると、報酬がよくても、やる気が削がれる。ここではない、どこか別の場所でもいい、と思ってしまう。度が過ぎるとやりがい搾取のように見えるが、ある程度は必要だと思う。

日本の場合、スター人材を留まらせるための「報酬よりも自分が特別だと感じられる」は、なかなか難しい。特別扱いと、特別と感じられることは、イコールではないのだが、ここの幅が難しい気がする。大企業の場合、ある程度の役職以上であれば、必然的に「特別」っぽくなる。役職がなかったりすると、優秀でも特別扱いはしないという、なんというか平等っぽいところがある。そうすると、どれだけ特異点なことをやったとしても、認められなかったりする。当然、裁量権もないわけで、なにもせず周りに埋もれていくか、外に飛び出し(転職)てベンチャーにいったりする。スター人材を育てていくのは、かなり難しい気がする。

非常に面白い特集だったのだが、振り返ってみると、自分自身も思うところはいっぱいある。良くも悪くも、いろいろと考えさせられた特集だった。愛情をベースに考えて、その上での扱いの部分を考えると、自分の中でモヤモヤしていた原因はわかった気がする。一部のマイナス要素が影響しているわけだ。おすすめできる内容だけど、劇薬でもあるような特集だった。

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