「検索エンジンはなぜ見つけるのか ―知っておきたいウェブ情報検索の基礎知識」を読んだ。

検索エンジンはなぜ見つけるのか ―知っておきたいウェブ情報検索の基礎知識検索エンジンはなぜ見つけるのか ―知っておきたいウェブ情報検索の基礎知識
森大二郎

日経BP社 2011-03-10
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帯にも書いていあるが「10年後も通用する”基本”」が書かれている。検索エンジンを題材にした本だと、Googleの検索エンジンのアルゴリズムやページランク、SEO、クローラーの仕組みがメインになっていることが多い。この本は、もっともっと基礎の部分がテーマになっている。

基本的な部分は、図書館での本の検索とウェブの検索エンジンについて対比もしながら解説している。収集の方法や集めたものの整理方法、検索の仕方について書かれている。この本に書かれていることは、PCすら使わず手で作業ができる基礎の部分だ。収集については、本は納本制度のこと。ウェブは、クローラーがどうやってウェブページを集めているのかについて。同じページかどうかの判定や絞りこみなど。

面白いのは、整理の部分。インデックスの作り方について、いくつもの方法について説明している。言葉だけでなく、図で過程が説明されているのでわかりやすい。実際に、手作業で整理の過程を後追いで試してみることもできる。特定の製品や作り込まれたアルゴリズムの説明ではなく、本当にベーシックな説明なので検索の基礎なら10年後でも通用する。そういった説明がされている。

コンピュータやウェブを使っていると意識せずに検索を使っている。出てくる結果に関心はあっても、どうやって検索しているかは気にしない。気になるのは、例えばGoogleがどういうアルゴリズムで検索をしているのかやランク付けの仕組みばかりだ。そのベースになっている基礎の基礎は気にしていない。小難しく解説されているのは多いけれど、簡単に説明している本は貴重なのかもしれない。読んでいて面白かった。この本を読んだからといって、いきなり何かの役に立つことはないだろう読み物として楽しいので、教養もしくは検索エンジンの世界への足がかりによいと思う。

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