D・カーネギーの「人を動かす」

人を動かす 文庫版
人を動かす 文庫版D・カーネギー 山口 博

創元社 2016-01-26
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今更という感覚はあったが、名著と呼ばれるD・カーネギーの「人を動かす」を読んだ。読んで感じたのは「名著と呼ばれることだけはある!」ということ。もっと早く読んでおけばよかったと思いつつ、今だから理解できるという感覚。たぶん、大学生のころや社会人になりたての頃だったら、面白いとは思うだろうけど、ここまで素晴らしいとは思わなかっただろう。いろいろな目に合い、経験があるからわかることもある。進めやすいけれど、読む側の経験や立場によって、受けることが変わる本だ。

それは、それとして。基本的には、重要なことを、エピソードを交えつつ紹介している。エピソードがあるから、重要さが伝わるとも言えるし、エッセンスだけだと薄いような感じになるのだろう。だが、気に入ったところをいくつか引用。

P.154
 理論闘争の華々しい勝利を得るのがいいか、それとも相手の好意を勝ち得るのがいいか−−この二つは、めったに両立しないのである。

P.159
 相手のほうが正しいのではないか?少なくとも正しい部分もあるのではないか?相手の主張に正当性、長所はないか?私の反論は問題の解決に役立つのか、それともただ溜飲を下げるだけのものか?私の反論は相手を遠ざけることになるのか、それとも引き寄せることになるか?私の反論は善意の人々から評価が得られるか?私は勝てるか、それとも負けるか?勝てるとしたらその代償にに何を失うか?私が反論しなかったら、この論争は治るのか?この難問はむしろ好機ではないのか?

論争に勝つのは簡単なときがあるが、、、たしかに勝っても先に進まない時がある。これは気をつけたいところだ。勝つだけが目的なことは、ほぼ無いし、その論争の先が目的なのだから、目的を達成するためには、引かないといけないということ。とはいえ、自分自身のストレスとの戦いになるのが辛い。人間力を上げないといけないところ。

P.199
 人と話をする時、意見の異なる問題をはじめに取り上げてはならない。まず、意見が一致している問題からはじめ、それを絶えず強調しながら話を進める。互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを、相手に理解させるようにし、違いはただその方法だけだと強調するのである。
 最初は、相手に“イエス”と言わせるような問題ばかりを取り上げ、できるだけ“ノー”と言わせないようにしておく。

これは、テクニックとして使えそう。これをやろうとすると、多角的に物事を見ないといけない。テクニックとして意識することで視野も広がるし、よさそうだ。最初に否定的にさせてしまうと、後から覆すのは大変。まさしくその通りだ。

この本は、気が向いた時に読むのがよい。無理して読むよりも、気になった時に読む、それがこの本との出会いなんだろう。

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