![]() | 魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス) 田中 芳樹 講談社 2012-06-07 by G-Tools |
いつの間にか薬師寺凉子の怪奇事件簿が出ていたので買った。もうこのシリーズは、発刊ペースが遅すぎていつでるのかわからない。本屋で見かけたときに始めて気がつくくらいだ。
さて今回の舞台は寒い寒いシベリアの大地。怪奇でもなんでもなく、サーベルタイガーが出てくるだけ。このサーベルタイガーもクローンかなにかで作られた可哀想なネコだ。敵役も、変質者的な殺人鬼みたいなもので、怪奇もミステリーもないのだ。怪奇を除いて、薬師寺凉子の事件簿と考えてよむと面白い。今回も新しくキャラが増え、メイドメンバーの過去というか素性の一端が見え隠れする。それ以外は・・・というと、もう先の展開が読めて読めて仕方ない。想定の範囲ないというべき話の進行だ。面白いんだけど、若干、空き気味なところがある。もっと話にひねりがあると良いのだけど。
ただし、ストーリーとか関係なく、薬師寺凉子の活躍という視点でみれば、今回もアクティブに活躍しまくる。泉田さんも、同じく活躍する。先を読みたくなるストーリーでもあるし、悪くない。ちょっと残念なのは、岸本の出番が無さ過ぎる。シベリアの大地じゃ、お友達はいないようだ。そこがちょっとかわいそう。他のキャラも出番がちと少ない気がする。今回は、メインの2人の物語なんだね。伏線として張られているものも少しずつ解かれているので、そろそろシリーズも終わりにさしかかっている感じだ。中々完結しない作者なだけに、ちゃんとした結末を望みたい。