読了:21世紀を動かす思想

いろいろなエッセンスがあり面白かった。加速主義、プルラリティ、SFプロトタイピングの思想について簡易に解説されている。プルラリティとSFプロトタイピングは知っていたが、加速主義はわかっていなかったのでよかった。

加速主義も急進的なものから、保守的なものまでいろいろとあり、それぞれに略号というか記号というかが付けられている。なんともわかりにくい。たぶん、この本を読んでいなかったら、加速主義について意識することはなかったと思う。加速主義のところを読んでいて思ったのは、なかなか危険な思想というかなんというか。同じ加速主義でも、保守よりな方が馴染みやすい気がする。保守よりと言っても、加速していく世界には違いないのだが。でも、保守的でないと、ターミネーターの世界だったり、企業国家によって牛耳られたりする世界になりそうで怖いわけだが。

プルラリティは、1冊本を読んでいるので、内容もわかっているので、まぁ、そうだよね、という感じで読み進めた。プルラリティ(=多元主義)の考え方は21世紀には良い気がする。ちょうどいいところを探そうとすると、プルラリティ的に考えた方がいい。この本では、そういうことのエッセンスだけが語られているので、サクッと読むには良い。気になるならば、プルラリティ(という本)を読めば、もっと詳しくわかるので。

SFプロトタイピング、未来学、ここらへんは、理想の未来像だったり、ありうる未来像を模索していく思想というか手法なので、有用だ。地続きで考えていくよりも、SFのような形で、ちょっと飛び越えた発想がないと今の世界の変化についていけない、というか考え方がつまらなくなるので、必要な考え方だと思う。実際問題として、AIとの向き合い方だったり、活用方法などはSF思考で考えて、ナラティブを考えた方がしっくりくる。SFっぽく思えても、じつは1〜2年で出来るのではないかと思えることもある。現実にとらわれずにSF的に考えた方が考え方が柔軟になってよいと思える。

なにが役にたつのかもわからないので、今の思想を知っておいて損はないと思っている。正直、それって思想だったのかと思わなくもないけれど。SF思考は好きなので、プロトタイプに活かすにはいいのではないかと思う。216ページに「現状の社会システムに対する問題意識(非効率性、不公正性、分断など)と、テクノロジーがそれらの解決に貢献しうるという期待感を共有している点で、根底でつながっています。」とあり、どれも重要なことになり得るのだな、考えさせられる。

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